というわけで書いてみます。
2008年3月30日 エッセイ コメント (6)書こうとしてやめてしまった事、やっぱり書きましょう。
最近、ふとしたことから実習の面倒を見る羽目に。
本来、私なんぞがする事じゃないはずなんですが。
では、なぜか?
せっかくだから何か記憶に残るものということで、
もう伝統工芸に入るのかもしれませんが「建染」
のビーカー後、現場でもやってもらう事にしたとのこと。
この建染というやつ、藍染なんかがこれにあたります。
ジーンズでは今でもよく使われる染色方法。
でも、それ以外ではあまり見かける事がない。
工業的にこれを使うのは少ないようです。
この染料、高いものは1kgで数万円-10万円超えするのが原因の一つ。
うちの会社でも実はここ15年やっていない。
今となっては、これを系統的に教えられる人、
というよりビーカーをやった事がある人すらいなかった、
というのが真相。
ここまでが前振りということで。
さて、この「建染」どのくらいの人が知ってるものなのか?
さすがに、うちの会社に勤めてる人は、
大雑把な事は当然知っています。
では、実習の対象者は?
意外な事かも知れませんが、短大では実習でやる事があるそうです。
それもあって、女性はほぼ知っていました。
では男性は?正直、悲しくなりました。
全然知らなかったのですよ。
インディゴ(インジゴ)の話をするとわかる人が若干いる程度。
一応、そういう関係の会社に籍を置いたわけだから、
最低限、知っておいてほしい事なんですがね。
「習った事がない」なんてアホなこと言ってる奴までいて、
もうどうしたものやら。
習わなきゃ学べないのか?とつっこんでしまった自分がいました。
この辺が「ゆとり教育」の弊害なんでしょうかね?
常に受身で前に踏み出そうという様子がうかがえないのです。
無論、踏み出したからといって、
正直私から見れば何も知らないのと同じなんですが。
でもね、50歩100歩とは言うけど、0歩と1歩は違うんですよ。
最初の1歩が大事!そして引き下がらないことなんでしょうね。
話がそれてしまった。
さて、一応一通りの説明をした後に出てきた言葉にもう一度愕然としました。
「こんな古臭いものより最新の技術を…」
新しいもの=最高のものという考え方が、
頭のどこかにこびりついてるんでしょうね。多分。
廃れていく技術にはそれなりの原因はある。
でもね、今回の話を例に取ると、
現在の最新の方法でも建染で仕上げたものにはかなわないのですよ。
実は。
品質的には勝負にならないというのが私の考え。
しいて言えば原色ぽい色、特に鮮明な赤が難しい。ことかな?
今回、私が本当に教えたかったのはこの部分だったのです。
昨日書いたやつですね。
技術、テクノロジーや文化といったものは、
常に最新のものが最高ではない。
人は、過去にすばらしいものを置いてきている。
それを身をもってわかってもらおうと、
やってみたわけですがさて、どう感じたか?
現場での実習では、実際に染色機を使用して50mほど…
私が昔設計した、建染にもっとも向いてそうな素材を
季節もそろそろということで「桜色」にしてみました。
実はこの素材、セルロース系繊維100%ではなく、
わずかにポリエステル混。
そして、この染料は極わずかなんだけど
ポリエステルに対しても染色性がある。
このため、実に「はかない」感じに仕上がるのですよ。
無論、明らかに作為的ですけど。
少なくとも最新=最高という考えを消し去る事には成功したようですね。
最後にオチを。
確かに技術的には…なんだけど、
これではコストがかかりすぎで正直売り物にはなりません。
当時からわかっていた話なんですけどね。
織物、原料等で1500円/mもかかってるじゃないか!
世知辛い世の中ですなorz。
最近、ふとしたことから実習の面倒を見る羽目に。
本来、私なんぞがする事じゃないはずなんですが。
では、なぜか?
せっかくだから何か記憶に残るものということで、
もう伝統工芸に入るのかもしれませんが「建染」
のビーカー後、現場でもやってもらう事にしたとのこと。
この建染というやつ、藍染なんかがこれにあたります。
ジーンズでは今でもよく使われる染色方法。
でも、それ以外ではあまり見かける事がない。
工業的にこれを使うのは少ないようです。
この染料、高いものは1kgで数万円-10万円超えするのが原因の一つ。
うちの会社でも実はここ15年やっていない。
今となっては、これを系統的に教えられる人、
というよりビーカーをやった事がある人すらいなかった、
というのが真相。
ここまでが前振りということで。
さて、この「建染」どのくらいの人が知ってるものなのか?
さすがに、うちの会社に勤めてる人は、
大雑把な事は当然知っています。
では、実習の対象者は?
意外な事かも知れませんが、短大では実習でやる事があるそうです。
それもあって、女性はほぼ知っていました。
では男性は?正直、悲しくなりました。
全然知らなかったのですよ。
インディゴ(インジゴ)の話をするとわかる人が若干いる程度。
一応、そういう関係の会社に籍を置いたわけだから、
最低限、知っておいてほしい事なんですがね。
「習った事がない」なんてアホなこと言ってる奴までいて、
もうどうしたものやら。
習わなきゃ学べないのか?とつっこんでしまった自分がいました。
この辺が「ゆとり教育」の弊害なんでしょうかね?
常に受身で前に踏み出そうという様子がうかがえないのです。
無論、踏み出したからといって、
正直私から見れば何も知らないのと同じなんですが。
でもね、50歩100歩とは言うけど、0歩と1歩は違うんですよ。
最初の1歩が大事!そして引き下がらないことなんでしょうね。
話がそれてしまった。
さて、一応一通りの説明をした後に出てきた言葉にもう一度愕然としました。
「こんな古臭いものより最新の技術を…」
新しいもの=最高のものという考え方が、
頭のどこかにこびりついてるんでしょうね。多分。
廃れていく技術にはそれなりの原因はある。
でもね、今回の話を例に取ると、
現在の最新の方法でも建染で仕上げたものにはかなわないのですよ。
実は。
品質的には勝負にならないというのが私の考え。
しいて言えば原色ぽい色、特に鮮明な赤が難しい。ことかな?
今回、私が本当に教えたかったのはこの部分だったのです。
昨日書いたやつですね。
技術、テクノロジーや文化といったものは、
常に最新のものが最高ではない。
人は、過去にすばらしいものを置いてきている。
それを身をもってわかってもらおうと、
やってみたわけですがさて、どう感じたか?
現場での実習では、実際に染色機を使用して50mほど…
私が昔設計した、建染にもっとも向いてそうな素材を
季節もそろそろということで「桜色」にしてみました。
実はこの素材、セルロース系繊維100%ではなく、
わずかにポリエステル混。
そして、この染料は極わずかなんだけど
ポリエステルに対しても染色性がある。
このため、実に「はかない」感じに仕上がるのですよ。
無論、明らかに作為的ですけど。
少なくとも最新=最高という考えを消し去る事には成功したようですね。
最後にオチを。
確かに技術的には…なんだけど、
これではコストがかかりすぎで正直売り物にはなりません。
当時からわかっていた話なんですけどね。
織物、原料等で1500円/mもかかってるじゃないか!
世知辛い世の中ですなorz。
コメント
で、この話が針仕事につながっていくという…
結局嫁さんの分まで作りましたとさ。
本当に買えば1着45000円といったところか。
でも誰も買わんか。
団塊が辞めると大騒ぎで人を取る
輸入した方が安いと国内での石炭生産を打ち切り
止めた途端に値上げされて高い石炭を買わされる
日本企業の技術力は高いのかもしれませんが
お世辞にも経営力は決して高くないようです
技術の仕事(アナログ通信関係)をしているので良くわかります。
70〜80年代はアナログと言えば日本だったんですね。
それが90年代からはこれからはデジタルの時代となって
優秀なエンジニアはみんなそっちに流れていってしまった。
世界的に権威のある論文誌で優秀賞を取るような人が
大企業では冷や飯を食わされる羽目になった。カリフォルニア
大学のブルーダイオードの人(御免名前忘れた)もそうですよね。
で現在、業界のトレンドというべき光関係のCore技術は
完全にアナログなんですね。今、日本でアナログが判るという人は
ホントに少数で、より深刻なのは教えれる人が絶滅に近い
状況にあるということです。
技術というのは一度空白の時代が生まれると基の状態
に戻すのにものすごく時間がいると聞いたことがあります。
私の業界もそうなのかもしれません。